私は神奈川県の小田原市(北条五代の城下町、箱根と相模湾に囲まれた情緒豊かな場所)で、3代続く資源回収業(いわゆるスクラップ業者です。)の3男として生を授かりました。典型的な家族経営の零細企業です。私の父(2代目)は、非常に実直な性格で、趣味が仕事という人でした。自宅に事業所があったので仕事場が私の遊び場でした。そこで経営者である父の背中をずっと身近で見ながら幼少期を過ごしてきました。実家が商売をしている環境の中で、私自身もなにか親の役に立てたらという思いがあり、高校卒業後は簿記の専門学校へ行き、税理士になる決意をしました。私にとって税理士は「中小企業の味方」という漠然としたイメージがあったこと、また税理士は多くの中小企業のサポートをすることができるので、自分がサポートする企業が良くなっていけば、結果として地域や社会が良くなっていくのではないかと思ったからです。
父は、60歳の還暦を迎えてすぐに事故で急逝し、いまは私の兄が三代目として事業を承継しておりますが、私が中小企業の支援に特化しようと思った背景には、家族経営の大黒柱としての父親の背中がその原点にあります。