経営のバトンタッチ、できますか?
私たちは誰もが今までにいくつもの分岐点を経験し、そのつど自分で決断しています。その選択が良いか悪いか、最初は分かりません。人生も会社も同じです。最初に立てた目的が違っていると気づいたら、その時に直せばいいのです。手遅れということはありません。
沖縄に行こうと思って西に歩いていたけれど、行きたいのが北海道だと気づいて北に進路変更することは問題ではないのです。西に向かって歩いていた時間はもったいなかったねという程度です。
問題なのは北海道に行こうと思っているのに西に向かって歩いている人です。いくら必死に歩いても、向かう方向が違っていたら目的地にたどり着けないのは自明です。
大企業の中にも途中で気づいて目的変更してきた企業があるはずです。しかし自分が向かっている方向が正しいかどうか分からないという経営者もいるかもしれません。そんな経営者に私はこう質問します。「今あなたの会社を誰かにやってもらうことができますか?」と。
経営を誰かにバトンタッチする日が必ず来ることを経営者が自覚しているかどうか。経営者が「自分がいなくなったら会社は終わりだ」と考えているとしたら、その会社は倒産してしまいます。会社の目的と経営者の目的が絡まっている証拠です。