美容室経営とランチェスター戦略(3)
美容室経営はとても分かりやすいと言えます。店の席数と営業時間、日数が決まっていれば最大の客数はすでに決まっているからです。例えば5席の店で、1日4回転が限界だとしましょう。週に1日の休みであれば営業は月に25日です。5×4×25=500。この店で集客できる最大の客数は月に500人ということです。それぞれの客が3カ月に1回来店すると仮定すると、この店が抱える客数は1500人が限界ということになります。言い換えればそれ以上集客してもお客さんが店に入れることはできないということです。
あとは経営者にとって理想的な客の割合を増やすことです。理想的な客とは「常連客」や「ロイヤルカスタマー」と呼ばれる客のことです。
単に笑顔で「ありがとう」と言って帰っていった客がみんな満足しているとは限りません。「本当に満足している客」という意味のロイヤルカスタマーの定義づけをすることで可視可することができます。定義は店によって違いますが、要素は「客単価」と「来店周期」、「継続期間」の3つです。例えば客単価が1万5000円以上、来店周期が2カ月以内、継続年数が1年以上の客をロイヤルカスタマーと定義づければ、今何人いるのか、月に何人増えているのかを数字で管理することができます。重要なのは選択と集中です。
5店舗以上を経営する美容室は広告を打ったりほかよりも先に流行などの情報発信をしたりする必要があり、また違った戦略をとらなければいけませんが、5店舗以下の美容室であればこのランチェスター戦略が経営にフィットします。