高校生活は私にとって人生のターニングポイントです。なぜなら私は高校1年のときにうつ状態になったからです。学校を3カ月くらい休みました。
特にこれという理由はありません。いじめられたわけでもありません。ただ、なぜか、みんなと一緒にいるのに、自分がすごく孤独な存在に思え、周囲に距離を感じてしまったのです。表現できない孤立感でした。
ある日突然、電車に乗れなくなりました。電車に乗ると心臓がバクバクして、その場にいられなくなってしまったのです。教室に入ることもできなくなりました。
閉所恐怖症になり、密閉された空間にいることが耐えられなくなりました。朝のホームルームが始まるまでは何ともないのですが、ホームルームが始まって教室のドアが閉まるともうその場にいられなくなり、保険室に駆け込み、家に帰らざるを得ないのです。
親には心配と迷惑をかけました。私が電車に乗ることができないので、毎日車で学校まで送ってもらいました。しかし、学校に行ってもホームルームが始まった途端、教室にいられなくなります。保険室から親を呼んでもらって再度迎えに来てもらうのです。そんな生活を1カ月くらい、毎日続けました。
このあと拒食症にもなってしまいます。体重が激減し、ネガティブ思考が極限の状態に達し、どうやったら親に迷惑をかけずに死ねるのかということをずっと考えていました。
あるときのことです。「このままでは親に迷惑をかけてつらいから死にたい」と父に言いました。夜の10時ごろ、食事が終わって父と私の2人きりの状況でした。
はっきり伝えたというよりも、しどろもどろな感じだったと思います。息子がうつ状態だということは知っていたと思いますが、改めてそんなことを言われて父はショックを受けたのでしょう。今まで父が泣いているところを見たことがありませんでしたが、そのときの父は涙を流しながら「どんな状況であったとしても、お前は俺の息子だから、頼むから死にたいとか言わないでくれ」と言ってくれました